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世界農業遺産の認定目指し、和歌山の認定地視察 アフリカ政府関係者、「梅システム」学ぶ(ご報告)

国連食糧農業機関(FAO)が進める「世界農業遺産(GIAHS)」の日本での取り組みを知り、母国での申請に向けた活動に役立てようと、アフリカの政府関係者が来日し、和歌山県のGIAHS認定地域の視察や都内で開かれたセミナーに参加しました。

一連の研修は、GIAHS認定に向けた具体的な申請手続きや認定後の地域産業の活性化の様子を知ってもらおうと、農林水産省の支援のもと、FAO駐日連絡事務所が2017年から実施しているプロジェクト「開発途上国における世界農業遺産人材育成事業」の活動の1つ。2018年は11月11日から同17日の日程で、エチオピアとウガンダの政府関係者計10名が来日しました。

13日から訪れた和歌山県田辺市、みなべ町では、両市町にまたがるGIAHS「みなべ・田辺の梅システム」を見学。みなべ・田辺地域は、薪炭林(しんたんりん)を使って雨水を地中に貯め、斜面の崩落を防ぎながら地中の水が養分を蓄えるよう水の循環を利用したり、ミツバチに受粉させて「梅とミツバチの共生」を図るなど、持続可能な農業システムの維持における長年の取り組みが認められ、2015年にGIAHSに認定されました。

参加者は、梅林や地域の梅栽培に関する歴史資料などを展示する「うめ振興館」や、梅を使った商品の製造会社、梅農家、備長炭生産者など、さまざまな形で「梅システム」に関わる人々を訪問。地域の伝統的な農法や生物多様性の保全、後継者育成や今後の地域の発展に向けた取り組みについて説明を受けたほか、同県果樹試験場「うめ研究所」では参加者が自国のGIAHS候補地について発表し、地域の研究者や行政担当者と意見交換を行いました。

 

12、16日の両日に都内で開かれたセミナーでは、FAO本部の遠藤芳英GIAHS事務局コーディネーターが「持続可能な農業生産を形成・維持し、農村地域の食料安全保障や生計に大きく貢献するか」などGIAHSへの認定に必要な5つの選定基準を挙げ、具体的な申請手続きについて説明しました。また、外務省、農林水産省、石川県、金沢大学などの関係者らとのラウンドテーブルでは、参加者がスライドを使って自国の候補地を紹介。出席者からは「GIAHSに認定されること自体がゴールではなく、その先の地域活性化や人材育成を目指すアクション・プラン(行動計画)が必要」「後継者の育成のためにどんな対策をしているか」などの助言や質問が相次ぎました。

エチオピア農業省から参加したゲラルチャさんは「視察や研修を通じて、農産物のブランド化や地域の活性化のヒントをもらえた。エチオピアに戻ったら認定を目指すみなさんにしっかり伝えたい」と意気込んでいました。

 

2017年の研修の様子はかこちらからどうぞ