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FAO駐日連絡事務所 Liaison Office in Japan

日本政府とFAOが気候変動緩和のための世界的な取り組みを支援する事業実施に合意

19/10/2017

新規植林・再植林活動の評価、モニタリングおよび報告の改善による森林の炭素蓄積の向上を目的とした4か年事業

 

日本の農林水産省と国連食糧農業機関(FAO)は、森林の炭素蓄積を向上する観点から、新規植林・再植林(A&R)、森林保全における世界および国レベルでの取り組みの評価、モニタリングおよび報告の改善を支援する事業の実施に合意しました。 

本事業は、農林水産省が200万ドルを拠出する4か年事業であり、これによりFAO林業局は世界規模でA&Rに最も適した地域を特定することになります。また本事業は、特に1990年以降最大規模の森林減少が起こった国々を対象とし、これらの国々における森林の炭素蓄積を向上するための介入にかかる技術的障壁の打開と、A&Rの取り組みの測定と報告の改善を支援します。 

三次啓都FAO林業局長は、次のとおり述べました。「FAOと日本のパートナーシップは、今年5月のFAO事務局長訪日以来、ますます強化されています。我々は、林業および持続可能な開発目標(SDGs)に関する世界的課題に対して、さらなる協力を促進するため、戦略的な対話を続けていきます。森林に関する評価、モニタリングおよび報告の能力向上は、FAO林業局が担う規範的業務における非常に重要な分野であるとともに、我々の強みの1つであり、FAOの特徴の1つでもあります。」 

FAO林業局国有林モニタリングチームリーダーのジュリアン・フォックスはさらにこう加えました。「この事業は、森林の炭素蓄積向上に向けたパリ協定の野心と、すでに大きく進んでいる世界的な取り組み、そしてこれらの取り組みの評価、モニタリングおよび報告の間に存在する重大なギャップを埋めることができるのです。」 

パリ協定は、締約国に対し、森林の炭素蓄積の保全と向上に取り組むこと、開発途上国における森林の減少および劣化から生ずる排出の削減並びに森林保全、持続可能な森林経営および森林炭素蓄積向上が果たす役割に関する活動(REDD+)を実施・支援すること、世界の気温の上昇を工業化以前よりも摂氏2度高い水準を下回るものに抑えること、気候変動による危機的な影響の回避を奨励しています。 

パリ協定の発効に伴い、締約国は国連気候変動枠組条約(UNFCCC)に対し、温室効果ガスの排出削減に向けた野心的な国家の努力目標を記載した「国が決定する貢献(NDCs)」を提出し、その進行状況のモニタリングおよび報告を行う必要があります。 

世界的には、2030年までに世界の森林減少・劣化した土地を3億5000万ヘクタール回復するボン・チャレンジや、2030年までにアフリカで1億ヘクタールの土地を回復するアフリカ森林ランドスケープ回復イニシアチブ(AFR100)など、機運が高まっています。国連森林戦略計画2017-2030(UNSPF)は、2030年までに世界の森林面積を3パーセントまたは1億2000万ヘクタール増加させるとともに、世界の森林の炭素蓄積を維持または増加させることを目指しています。また、SDG 15.2は、2020年までに劣化した森林を回復し、世界全体でA&Rを大幅に増加させる行動を求めています。さらに、SDG 15.3は、2030年までに、砂漠化、干ばつおよび洪水の影響を受けた土地等の劣化した土地と土壌を回復し、土地劣化に荷担しない世界の達成に尽力することを目指しています。 

このような文脈から、日本が拠出する本事業は、世界および国レベルでのA&Rの取り組みと保全の評価、モニタリングおよび報告を改善することにより、森林の炭素蓄積の向上に焦点を当てることになります。特に、技術的な森林評価とモニタリング手法を使用することで、森林炭素蓄積向上のための土地の適性と緩和可能性を正確に評価するとともに、UNFCCC(REDD+、NDCs)とその他の目標(ボン・チャレンジ、AFR100 、UNSPF、SDG15)をモニタリングし報告するための取り組みを支援します。さらに、本事業は、持続可能な形で農林水産業の生産物およびサービスを増加・改善することにより、FAOの戦略目標2(農林水産業の生産性・持続可能性の向上)の達成に貢献します。 

沖修二農林水産省林野庁長官は次のとおり確言しました。「パリ協定において、摂氏2度目標の達成を図るため、今世紀後半に温室効果ガスの排出と吸収を均衡させる目標の達成を目指すことが掲げられたことは、森林セクター全体にとって大きなチャレンジであり、REDD+等により森林減少・劣化に由来する排出の削減を達成するのみならず、さらに森林全体が吸収量を高めていくための努力が不可欠となる。日本は、長年にわたり、マルチ(多国間)・バイ(二国間)協力を通して、開発途上国における森林減少・劣化の阻止や新規植林・再植林の支援を行ってきたところであるが、今回、気候変動及び森林と土地利用にかかる評価、モニタリング、報告に関する知見が深い国連専門機関であるFAOと協力し、このプロジェクトを開始することとなったのは、こうした文脈によるものである。本プロジェクトが、国際レベルで森林吸収量を高めようとする上で大きな成果を挙げることを期待している。」

 

原文のプレスリリースはこちらから。