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FAO駐日連絡事務所 Liaison Office in Japan

バングラデシュと日本の持続可能な農業システムが世界的に認知

写真:長良川の風景。食料・栄養安全保障、生態系に重要な恩恵を与える地域が世界農業遺産と認定される。
15/12/2015

革新性、持続可能性、順応性に優れた4つの地域が世界農業遺産に認定される

ローマ-FAOは本日、バングラデシュと日本の4つの伝統的な農業システムを世界農業遺産に認定した。

4つのうちの1つはバングラデシュの「浮き畑」(floating gardens)が認定された。「浮き畑」は草木類で構築するユニークな水耕栽培システムで、洪水に見舞われる地域で発達してきた。残りの3地域は日本からで、岐阜県の里川のシステムを利用した持続可能な漁法、和歌山県の養分の乏しい斜面での梅栽培、宮崎県の山間地農林業が認定された。

4地域はFAO本部のローマで開催された「GIAHS運営・科学合同委員会」にて、正式に認定された。

今回新たに認定された4地域を加えると、これまで認定された世界農業遺産はアフリカやラテンアメリカ、近東やアジアなど合計15か国、36地域となった。

「今日の環境および経済的課題、また気候変動という問題を抱える状況において、小規模ならびに家族農業、とりわけ伝統的な農業は、十分な政策や投資がなされたならば、食料安全保障や天然資源の保護、持続可能な農村部の開発へ向けた真の解決策を提供しうるのです」とFAOの事務局次長のマリア・ヘレナ・セメドは話した。

2002年に南アフリカのヨハネスブルクで開かれた持続可能な開発に関する世界首脳会議にてFAO主導のもと始まった世界農業遺産は第39回FAO総会で加盟国よりFAOのコーポレートプログラムの承認を得た。

新たに認定された地域について 

新らしい世界農業遺産の概要は以下のとおり。

 

日本-清流長良川の鮎 

長良川は日本の清流の1つで、数々の生態系サービスを提供している。さまざまなシステムの構成要素、例えば河川や森林、農地はそれぞれが密接に関係している。持続可能な内水面漁業である鮎漁は、上流の森林管理を通して維持される長良川の清流から恩恵を受けている。地元の人々は生態系と結びついた中で暮らし、生活や文化を発展させてきた。

日本-和歌山県みなべ・田辺の梅システム

みなべ・田辺の梅システムは、栄養の乏しい斜面でも高品質な梅やさまざまな種類の果物を栽培することを可能にした。地元の人々は崩落防止林や水源の整備、送粉者としてのニホンミツバチ生息のため、薪炭林を維持することで梅栽培の環境を作り上げてきた。多岐にわたる作物を栽培することで、安定した生活と災害に見舞われても、より回復力が早いコミュニティを確立させた。

日本-高千穂郷・椎葉山の山間地農林業

この地域は平地が非常に少ない険しい山間部に位置している。厳しい環境の中、地元の人々は木材生産と、棚田の米作りやシイタケ栽培、和牛生産、釜炒り茶の生産といった林業に多様な農業をバランスよく組み合わせた独特かつ持続可能な農林業システムを構築してきた。森林は伝統手法を施して維持・管理され、針葉樹林と落葉広葉樹林が混在する特徴的な森林景観を形成し「モザイク林」と呼ばれている。

バングラデシュ-「浮き畑」農法

長期にわたって洪水が留まるバングラデシュの地域に暮らす農民はホテイアオイや藻、またそのほかの植物性残渣で作った水に浮かぶオーガニックベットの上で作物を育てるユニークな水耕栽培システムを開発してきた。この環境に優しく、伝統的な栽培技術は天然の湿地帯の原料を使うことにより、ほぼ一年中、野菜やほかの作物が育てることができるため、地元の人々に社会・経済的、農業、環境上における多大な恩恵をもたらしている。

 

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