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FAO駐日連絡事務所 Liaison Office in Japan

家族農業の貢献たたえる 飢餓ゼロ、さらに健康的な食生活の実現へ

持続可能な開発目標「2030アジェンダ」に向け、家族農家が重要な貢献をすることについて話し合う国際会議に出席した参加者=2019年5月26日、ローマ
28/05/2019

国連総会議長「家族農業、飢餓撲滅と持続可能な開発に主要な役割果たす」     

「家族農家は、栄養不良やその他の形態の低栄養と闘い、また、健康的な食事の促進に向けた世界的な取り組みの最前線にいます」。国連総会のマリア・フェルナンダ・エスピノサ議長は26日、飢餓と肥満が世界中で拡大する中、家族農家に対するさらなる支援が必要であると力を込めました。

「世界では、生産された食料の3分の1が失われたり廃棄されたりし、また、土地の3分の1が家畜生産に使用されています。その中で、家族農家の人々は生計の向上、雇用創出、地域社会の結束、農村地域の発展を支える重要な社会経済的主体です」。エスピノサ議長は家族農業の課題と機会についての国際会議(国連食糧農業機関(FAO)と国際農業開発基金(IFAD)の共催)に出席し、300人以上の参加者を前に訴えました。

エスピノサ議長は、100万種近くの動植物が絶滅の危機に瀕しているという警告を引き、家族農家は農業生物多様性と伝統的知識の保護に不可欠な貢献をしていると述べました。

エスピノサ議長は「我々は、世界規模で食料における不平等性と質の両面でも大きな課題に直面しています」とし、世界は同時に飢餓と肥満率における懸念すべき上昇のさなかにあると強調。「牧畜を営む人々、先住民族、森林居住者にいたるまで、家族農家の人々は持続可能な開発のための2030アジェンダに対する重要な貢献をしています」と述べました。

 

国連家族農業の10年と世界行動計画の発足

この国際会議は、5月29日に発足する国連家族農業の10年(2019年~2028年、UNDFF)、また、家族農家に対する支援の機運を高めるための「世界行動計画」の発表の前に開催されました。

FAOとIFADは、2017年末に国連が宣言した家族農業の10年の実施に向けた活動を主導しており、家族農家の立場を強化し、家族農業を営む人々が世界の食料安全保障と栄養に最大限貢献できるよう環境を整えることを目的としています。

エスピノサ議長は「国連家族農業の10年は、家族農業を営む人々―その多くは女性や若者です―が、私たちの社会や経済において果たしている役割について、広く社会の意識を高める機会となります」と述べ、「それは、家族農家が培った知識をとらえ、共有し、家族農家がほかのさまざまな地域社会や国とさらなる協力を促進する機会なのです」としました。

「この家族農業の10年は、政府にとっては、持続可能で多種多様な家族農業を支援する政策を、生産だけでなく、社会経済的、環境的な持続可能性に取り入れ、食料システムと農村開発の新しいパラダイム(理論的枠組み)に向かって進むチャンスでもあります」と付け加えました。

家族農家は世界の食料の8割を生産しており、持続可能な開発を進める鍵となります。

エスピノサ議長は、この家族農業の10年が、家族農家の組織を強化し、その権利を保護、促進する機会でもあると述べ、昨年12月に国連総会で採択された「小農と農村で働く人びとの権利に関する国連宣言」は前進のための重要な一歩であり、この家族農業の10年をとらえて進展させなければなりません、と締めくくりました。

会議では、FAO事務局長のジョゼ・グラチアノ・ダ・シルバも出席し、2013年に市民社会組織とのパートナーシップに向けたFAOの戦略が採択されて以降、家族農家の人々の経験や知識、技能をFAOにもたらしてもらえるよう門戸を開いたことを強調しました。「初期のイニシアチブの1つが、国際家族農業年の導入でした。家族農家の重要性について世界的な認識を高めるためだけでなく、家族農業を営む人々が家族農家として認識されることも非常に重要な取り組みでした」と振り返り、家族農業がFAOの活動の中心であることを訴えました。

原文プレスリリース(英語)はこちらから。

http://www.fao.org/news/story/en/item/1195756/icode/