「コメは命」
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プレスリリース

国際コメ年の開始について

国連、ニューヨーク、2003年10月31日

国連は、本日、コメの生産を増加させるための国際的な取組みを本格的に開始した。  「コメは世界の人口の半分以上の人々の主食である。しかし、その生産は深刻な制約に直面している。」と、国連食糧農業機関(FAO)のジャック・ディウフ事務局長は説明した。

世界の人口が増加している一方で、コメの生産と都市開発などその他の用途との間で土地や水をめぐっての競合が生じている、と国際コメ年2004の開始にあたってディウフ博士は指摘する。

ディウフ博士は、「1970年代の緑の革命が飢餓に関する世界の重荷を大幅に緩和したが、その成果は横ばいである。」と警告する。

FAOの見通しによれば、2030年までには、コメに対する総需要は1997年から1999年までの年間生産量を38%上回ることになろう。コメは、アフリカでは最も急速に普及している食料である、とディウフ博士は国連で出席者に対して述べた。コメは、全世界で、人間の栄養と食料安全保障に対して大きな影響をもたらす。コメを中心とする持続的な生産システムは、国連がミレニアム目標を達成することや、世界の飢餓の撲滅にも貢献するものである。  「アジア、アフリカ、アメリカ大陸のほぼ10億の家庭が雇用や生活の主要な源としてコメの生産システムに依存し、世界のコメの約5分の4が小規模農民により生産され、地元で消費されている。コメ生産システムは、幅広い種類の植物や動物を支えるとともに、農村の食事と所得を補完している。」とディウフ博士は指摘する。   更に、ディウフ博士は、「コメの生産と消費は、宗教行事、祭礼、習慣、料理、儀式ごとなど多くの文化の中心となっている。」と付け加えた。今回の国連の決議は、コメという単一の作物に一年をささげるというもので、国連の歴史ではユニークなものとなった。FAOは、コメは命というモットーの下でのキャンペーンを組織し、国際的な農業機関を束ねる。  「いま、世界のコミュニティーは、農民、女性、子ども及び特に貧困者のため、持続的な方法でコメの生産を増加させるよう共に取り組むときである。多くの国々で長年にわたって、持続的な農業発展を促進する世界的な取組みが構築されてきており、国際コメ年は、世界のコミュニティーがこうした取組みを実施する力強い機会となる。」とディウフ博士は促す。  国際コメ年は、コメ生産の切迫する危機を訴える44ヶ国の国連の加盟国により昨年なされた提案がきっかけとなった。この提案では、1990年代初頭以降、コメの単収の伸びが低下するとともに、人口の伸びを下回ったことに対して科学者が警告したことが指摘されている。

この30年間でコメ生産が急速に加速したことが、世界の食料安全保障の改善に対する主要な貢献となっていると同提案は指摘する。しかし、依然として慢性的な栄養不足に悩む8億4000万人のうち半数を超える人々がコメの生産に食料、所得及び雇用を依存する地域に居住している。

 「国際コメ年は、世界を通じて各国の主導によるプログラムを実施するための触媒の役割を果たす。」と、FAO事務局長はニューヨークでの国際コメ年の開始にあたって述べ、「我々は、農民からコメゲノムのマッピングを行なう研究機関に至るまでの全ての関係者が、持続性と公平性を促進する方法でコメの生産を増加する使命に携わることを目指している。既に多くの加盟国で、我々の国際的なビジョンと地元の人々の実際的な現実とを力強く結びつける役割を果たす国際コメ年国内委員会が設置されている。」と述べた。

 このような戦略が成功したことは過去にもあった。第2次世界大戦直後、人口が急速に増加する一方で、コメの生産は遅々としていたので専門家は、アジアで飢饉を予測した。FAOは、1966年をコメの年と宣言した。多くの国々で、生産、販売、調整加工、栄養、について改良の措置が採られた。諸会議が組織され、科学的研究が刺激を受けた。

2004年のキャンペーンも同様に、研究の増加と改善された手法の適用を加速することを追求する。地域での会議や国際会議とともに、科学分野でのコンテストも開催される。詳しくは、www.rice2004.orgを参照されたい。