国際連合食糧農業機関(FAO)駐日連絡事務所

FAOの緊急支援や強靭性の強化に日本政府が1,190万米ドルを拠出―アフリカ、アジア、欧州、中東での重要な14事業を支援

地域住民による灌漑整備を通じた生計向上支援の一環として、ハリールード・ムルガーブ河川流域護岸工事を行う建設作業員―アフガニスタン・ヘラート県における日本政府支援事業

©FAO/Lydia Limbe

2025/02/25

アフリカ、アジア、欧州、中東地域の人道支援の一環として、緊急支援及び強靭性構築のための活動を強化するため、日本政府は国際連合食糧農業機関(FAO)に対し、1,190万米ドルを拠出、緊急性の高い人道的ニーズに対応するための重要な14の事業を支援する。

これらの資金は、以下を含む主要な課題に取り組むために充てられる。

  • アフガニスタンにおける気候・経済ショックの影響を受ける小規模農家への支援
  • チャドの特にスーダン危機の影響を受ける地域の食料安全保障と栄養の強化
  • モザンビークにおける避難世帯への支援
  • ウガンダにおける洪水管理の取組の強化
  • マリにおける農業用道路と灌漑用水路の建設
  • 西インド洋における放棄・廃棄・投棄された漁具の管理
  • コートジボワールにおける農業投資の促進

レイン・ポールセンFAO本部緊急支援・レジリエンス部長は、「日本政府の時宜を得た貢献に感謝します。今般の拠出は、危機の影響を受ける地域社会において、人々が持続可能で強靭な生活ができるよう支援しつつ、一刻を争うニーズに対応するという日本のたゆまぬ姿勢の一環です」と述べた。

同部長はさらに、「緊急農業支援は、紛争、気候危機、経済不況によって最も深刻な影響を受ける人々にとっての生命線です。このような支援は、人々の生命を救うだけでなく、外部への依存の連鎖を断ち切り、地元の市場を活性化し、持続的な復興を促進することによって、地域社会に自らの未来を築くための手段、そして力を与えるものです」と続けた。

 

長年にわたる協力 

1951年のFAO加盟以降、日本は、地球規模の食料不安との闘いをけん引する重要なパートナーである。FAOとの長年にわたる協力を通じて、日本は、国内避難民、難民、紛争や自然災害の影響を受けた地域社会を含む脆弱な人々の食料安全保障と栄養の改善に大きく貢献してきた。

2024年にも、日本はアフリカ、アジア、欧州、中東におけるFAOの緊急支援・強靭性強化の取組を支援するため、以下を含む1,120万米ドルの拠出を行っている。

スリランカの農村コミュニティにおける内水面漁業の開発(300万ドル)

  • 東アフリカでの洪水への対応
  • ウクライナの紛争被災地における生活支援
  • モザンビークのカーボデルガード州における農村地域の生計向上
  • アフガニスタンにおける農業と家畜を基盤とした生計の強靭性強化
  • モーリタニアにおける洪水被災地域の強靭性構築
  • エチオピア北部における緊急・早期復興支援を通じた食料安全保障と栄養の改善

エチオピアのティグライ州をはじめとする紛争や気候変動の影響を受けた地域では、地元の農家が2021年に外部から受けとった食料援助の5倍の量の食料を生産しており、地域が自立することがいかに効率的であるかを物語っている。

 

関連リンク

原文プレスリリース(2025年2月21日ローマ)Japan contributes $11.9 million to scale up FAO’s emergency and resilience activities