
2021年を「国際果実野菜年(International Year of Fruits and Vegetables:IYFV2021)」とすることが、2019年12月に開催された第74回国連総会にて採択されました。
FAOはこの国際年実施の担当機関として、他機関と連携し、啓発活動を行います。
果実と野菜が人間の栄養、食料安全保障、健康、そして持続可能な開発目標(SDGs)に果たす重要な役割について、意識啓発を行うための貴重な機会です。
国際果実野菜年の文脈における果実と野菜とは
果実と野菜とは、生の状態または最小限に加工された形で、栽培また野生環境から収穫した植物の食用部分(種子を含む部分、花、芽、葉、茎、新芽、根など)と考えられます。
上記の定義に含まれないもの
• キャッサバ、ジャガイモ、サツマイモ、ヤムイモなどのイモ類(一方これらの植物の葉は野菜として消費される)
• 乾燥穀物マメ科植物(未成熟なときに収穫されたものを除く)
• トウモロコシを含む穀物(未成熟なときに収穫されたものを除く)
• ココナッツ、クルミ、ヒマワリの種などのナッツ、種子、油糧種子
• 薬用やハーブの植物およびスパイス(野菜として使用される場合を除く)
• お茶、カカオ、コーヒーなどの覚醒作用のあるもの
• アルコール飲料(ワイン、スピリッツなど)、植物性代替肉または成分が追加された果実・野菜食品(パックされたフルーツジュース、ケチャップなど)を含む加工食品と超加工食品
最小限に加工された果実・野菜とは、洗浄、選別、切断、皮剥き、スライス、刻みなどの新鮮な品質に影響を与えない手順を経た、果実と野菜。
最小限に加工された食品とは、その固有の物理的、化学的、感覚的および栄養的特性のほとんどを保持し、最小限に加工された食品の多くは、未加工の形態の食品と同等に栄養価が高い。例としては、スライスした果実、袋詰めの果実、野菜サラダ、冷凍および乾燥した果実や野菜など。
国際果実野菜年の目的
1) 果実と野菜の摂取による栄養と健康上の利点について、その認識を高め、また政策的注意を向ける。
2) 果実や野菜の消費を通じて、多様でバランスの取れた健康的な食事とライフスタイルを促進する。
3) 食料システムにおける果実と野菜の食料ロス・廃棄を減らす。
4) 以下に関する最良事例の共有:
• 持続可能な食料システムに貢献する、果実・野菜の消費と生産の促進。
• 保存、輸送、貿易、加工、調理、小売、廃棄削減、リサイクル、およびこれらの段階間の相互作用における持続可能性の向上。
• 家族農家を含む小規模農家の、果実・野菜の持続可能な生産と消費のための各国、地域、世界的な生産活動とバリューチェーン・サプライチェーンへの統合。(果実・野菜は、その多様な品種や在来種の役割を含み、小規模農家の食料安全保障や栄養、生計および収入に貢献している。)
• すべての国、特に開発途上国が、果実・野菜の食料ロス・廃棄と闘うための革新的手法と技術を導入する能力を強化する。
主要メッセージ
革新し、栽培し、食料ロス・廃棄を削減する
果実と野菜のサプライチェーン内の効率と生産性を高めて食料ロス・廃棄を減らすには、イノベーション、技術とインフラの向上が不可欠です。
持続可能性を促進する
持続可能で包括的なバリューチェーンは、生産拡大や、果実や野菜の供給、安全性、経済的入手可能性、そして公平なアクセスを強化することに役立ち、経済的、社会的、環境的持続可能性の促進につながります。
繁栄を育む
果実と野菜を栽培することは、家族農家とそのコミュニティの生活の質の向上に貢献します。これらの栽培は、収入を生み出し、生計手段を与え、食料安全保障と栄養を改善し、持続可能な地域資源の管理と農業生物多様性の保全を通じてレジリエンスを高めます。
利点を生かす
果実と野菜には、免疫システムの強化を含む複数の健康上の利点があり、あらゆる形態の栄養不良と闘い、非感染性疾患全般を予防するために不可欠です。
多様な食事を実現する
果実と野菜は、多様性のある健康的な食事の一部として、毎日適切な量を摂取する必要があります。
農場から食卓まで、食料を尊重する
腐敗性の高い果実や野菜は、食料ロス・廃棄を最小限に抑えるために、生産から消費までのサプライチェーン全体での適切な処理と取り扱いを通じ、品質と安全性を維持するための特別な注意を払う必要があります。
International Year of Fruits and Vegetables (IYFV)
関連ニュースは以下から
FAO、「国際果実野菜年2021」立ち上げ(2020年12月15日)