国際連合食糧農業機関(FAO)駐日連絡事務所

零細漁業・養殖業の国際年 2022

2022年を「零細漁業・養殖業の国際年 (International Year of Artisanal Fisheries and Aquaculture 2022、IYAFA 2022)」とすることが、国連総会にて宣言されました。FAOは、関連する国連機関と協力しつつIYAFA2022 を主導する役割を担います。

「零細漁業・養殖業の国際年2022」は、何十億もの人々に健康に良い栄養のある食べものを提供し、SDGs目標2「飢餓をゼロに」の達成に貢献している世界の何百万人もの零細漁業者、養殖業者、及び漁業従事者を評価する貴重な機会です。 

「零細漁業」「小規模漁業」とは

零細漁業(artisanal fisheries)や小規模漁業 (small-scale fisheries)・養殖業に関する万国共通の定義はありません。一般的には、比較的少量の生産単位を用い、漁業に必要な投入財や生産量が小規模で、使用される技術のレベルも限られ、投資額も少ない漁業や養殖業を指します。これらの形態は一般的には家族単位で営まれており、ときには少数の労働者を雇っていたり、地域共同体単位で営まれていたりすることもあります。獲れた魚は一般的には地元の市場で売られていますが、国内の市場や国際市場で売られることもあります。「零細漁業・養殖業の国際年」では、小規模漁業及び零細漁業は同義的に使用しています。また、スポーツや娯楽のための漁業は一般的には「零細漁業」や「小規模漁業」とは呼ばれません。

 

零細漁業・養殖業の国際年の目的

  • 小規模の零細漁業・養殖業の持続可能な開発への貢献度、特に食料安全保障と栄養、貧困撲滅、及び天然資源の利用への貢献度に関する認知度を高め、理解を深め、支援を促進する。 

  • 小規模の零細漁業・養殖業者、漁業従事者、政府、その他バリューチェーンに関わる主要なパートナー間の対話及び連携を促進し、漁業及び養殖業の持続可能性を高めるため関係者の能力や社会開発、及び豊かな生活を強化する。

 

世界の零細漁業

  • 漁業(養殖業を除く)に従事している人は世界に4,000万人います(FAO、2018年)
  • 世界銀行のデータによると、間接的に捕獲漁業(capture fisheries)に関与している人々も含めた場合、その数は1億2 000万人に上ります。そのうち、90%は零細漁業者とそれに関連する漁業従事者であり、そのうちほぼ50%は女性です(世界銀行、2012年)

世界の養殖業 

  • 世界では2 000万人が養殖業に従事しています(FAO、2018年)。間接的に養殖業に関与している人々も含めた場合、その数は5千万人にも上ります(FAO ・WorldFish、2016年)
  • 世界の養殖の80%は開発途上国で生産されています。(FAO ・ WorldFish、2016年)

出所:

 

IYAFAロゴブロックの使用について

ロゴの使用等、広報活動をされる際には、こちらのページを必ずご参照いただき、特にCommunications Handbook and Toolkit(英語)及び Visual Identity Guidelines(英語)に記載されている各種規定を遵守ください。

 

------------------------------------------------------------

参考資料

零細漁業・養殖業の国際年のパンフレット(英語)
https://www.fao.org/publications/card/en/c/CA6973EN/

グローバル・アクション・プラン (英語)
https://www.fao.org/3/cb4875en/cb4875en.pdf

------------------------------------------------------------

関連リンク

International Year of Artisanal Fisheries and Aquaculture
https://www.fao.org/artisanal-fisheries-aquaculture-2022/home/en/

家族農業の10年
https://www.fao.org/japan/portal-sites/decade/2019-2028-10/jp/

JIRCAS国際シンポジウム2022:持続可能な食料システムにおける零細漁業と養殖業の役割
https://www.jircas.go.jp/ja/symposium/2022/e20221122_jircas