国際連合食糧農業機関(FAO)駐日連絡事務所

日本担当FAO親善大使

中村 勝宏(なかむら かつひろ)氏 Katsuhiro NAKAMURA

日本ホテル株式会社・ホテルメトロポリタンエドモント統括名誉総料理長     

鹿児島県阿久根市生まれ。国内のホテルで修業後、70年に渡欧。15年間にわたりフランス各地の名だたるレストラン10店でプロの料理人として活躍。79年、パリのレストラン「ル・ブールドネ」グランシェフ時代に、日本人初のミシュランの一つ星を獲得。帰国後、ホテルエドモントの開業とともにレストラン統括調理長に就任。1994年、常務取締役総料理長に就任。
2008年の洞爺湖サミットでは総料理長として全ての料理を指揮統括する。2013年、日本ホテル株式会社取締役統括名誉総料理長及びホテルメトロポリタンエドモント統括名誉総料理長に就任。2016年には、日本人の料理人で史上2人目となるフランス共和国農事功労章の最高位「コマンドゥール」を受勲。2018年より日本ホテル株式会社特別顧問統括名誉総料理長に就任。また、後進の育成、食育の推進、フランス料理を通じた社会貢献など、様々な活動に精力的に取り組んでいる。


主な受賞及び受章歴

1979年    日本人として初めてミシュランの一つ星を獲得(パリ「ル・ブールドネ」のグランシェフとして)
2003年    フランス共和国農事功労章シュヴァリエ叙勲
2005年    東京都優良調理師知事賞 受賞
2010年    フランス共和国農事功労章オフィシエ叙勲
2016年    フランス共和国農事功労章コマンドゥール叙勲 他

 
メッセージ

FAOの活動とその使命は本当に尊いもので、あらゆる国の人々が等しく、人間らしく生きていくために大切な活動であると思います。私は55年間にわたり、料理人として食の道に携わってまいりました。日ごろ私達が最も大切にしていることは、食に対して慈しみの心を持ち、無駄にしないということです。したがって、食べ物のあらゆる生産者に心からの尊敬を抱いています。しかし私達が残念に思うのは、食料ロスの問題です。私達はまず、私達にできることをしなければならないと思っています。FAOの報告書によると、世界全体で人の消費向けに生産された食べ物の約3分の1が破棄されているそうです。これは飢餓に苦しむ8億人を養うために十分な量です。私は20年以上賞味会を開催していますが、毎回参加者に食べられる分だけを取り分け、食べ残しをしないようにと呼びかけています。食べるという行為は人が生きていく限りどんなときでも放棄できません。食が恵まれない方々へもしっかりと行き届くことを願い、今後もFAOの活動に協力していきたいと思います。

 

国谷 裕子(くにや ひろこ)氏 Hiroko KUNIYA                                                                              

大阪府生まれ。高校時代までアメリカ、香港、日本で生活。アメリカのブラウン大学卒業後、NHK総合「7時のニュース」英語放送の翻訳・アナウンスを担当。再び渡米し、NHK衛星放送のニューヨーク発キャスターを担当。帰国後、89年からNHK衛星放送「ワールドニュース」キャスター、93年から2016年までの23年間、NHK総合テレビの「クローズアップ現代」のキャスターを担当。この間、特別番組や「NHKスペシャル」等の報道番組のキャスターも務める。現在、東京藝術大学理事、慶応義塾大学大学院特別招聘教授、自然エネルギー財団理事。著書に「キャスターという仕事」「クローズアップ藝大」がある。


主な受賞及び受章歴

1998年 放送ウーマン賞
2002年 菊池寛賞(国谷裕子と「クローズアップ現代」制作スタッフ)
2011年 日本記者クラブ賞
2016年 ギャラクシー賞特別賞


メッセージ

私は、2016年から持続可能な開発目標(SDGs)をどのように皆さんに知ってもらえるのかを考えながら、取材などに取り組んできました。人間の生存の最も基礎になるのが食料。食料を作るのに必要なのが水や土壌などの資源。それらをどうやって持続可能にしていけるのか。SDGsの達成に貢献しながら、より多くの人にFAOの取り組みを発信していきたいと思っています。今までは国連の活動というと日本では途上国への開発援助というイメージが強かったと思います。しかし、これからは日本などの先進国も含め地球全体の持続可能性を高めるために自治体や企業、NPOや個人一人ひとりが行動していく時代になりました。FAOは多くの調査を行い、膨大なデータを所有し、国際ルール作りも行っています。このようなFAOが持っている知識を取り込み、日本各地で食料の生産や流通取り組まれている方々のお話を聞き、議論をしながら情報発信をすることで、持続可能な社会の実現に取り組んでいきたいと思っています。