国際連合食糧農業機関(FAO)駐日連絡事務所

トルコでの就農は「希望」 FAO、シリア難民に就労支援

2019/05/16

トルコ・カフラマンマラシュ県のダーヂョール・バハラット社のトウガラシ生産工場で4月3日、シリア人労働者30人が新たな仕事をスタートさせました。今年3月中旬、トルコ・キリス県で開催された就労支援フェアを修了した際にこの工場のオーナーであるメフメット・ダーヂ氏が彼らを雇い入れました。

この就労支援フェアは、日本政府の支援の下、国連食糧農業機関(FAO)とトルコ農業・森林省にが実施したものです。FAOのプロジェクト「シリア難民・難民受入れコミュニティの生計向上機会及び社会的結束の強化を通じた強靭性の構築は、シリア難民と受け入れコミュニティのトルコ人に職業訓練を提供し、彼らが農業・食料分野で新しい仕事と収入源を見つけられるよう実施されています。

トルコに住む多くのシリア難民は、不定期収入しか得られず、生活費がかさむために、経済的に困難な状況に直面しています。彼らは低技術・低賃金の仕事に就くことで、苦境をしのいできましたが、このプロジェクトで実施される研修では、難民が新たに長期雇用の機会を見つけられるよう、農業・食料分野のスキルとトルコ語能力の向上のためのプログラムを提供しました。

この日新たに仕事をスタートした30人は、今後半年間にわたってトウガラシ工場で働く予定です。8月からは、別のシリア人30人がこのトウガラシ畑にある工場で3カ月間の勤務をスタートさせます。このプロジェクトの期間中、シャンルウルファとキリスの両県で食料・農業生産分野の訓練に参加したシリア難民と受け入れコミュニティのトルコ人は計250人に上りました。

シャンルウルファ地域では125人が地元の食料生産と畜産管理についての訓練を受け、キリス県では農業・森林省地方局の支援の下、100人が野菜やピスタチオ、オリーブの生産について学びました。さらに同県では、25人に対象に養蜂研修も実施。参加した受講生全員にプログラムの修了と新たに学んだこれらの技能についての証書が授与されました。

就労支援フェアでは、野菜やピスタチオ、オリーブの生産の訓練を受けた82人が民間企業の雇用主や代表者と面接。参加者の27%以上がフェア開催中に企業からの内定を得ました。就労支援フェアに参加した地元生産者は、雇用者と労働者双方にとってこのようなイベントは有益で労働需要を満たすために役立つ、と話していました。

 

原文プレスリリースはこちらから(英語)

For Syrian refugees in Turkey agriculture is hope

http://www.fao.org/emergencies/fao-in-action/stories/stories-detail/en/c/1188382/

 

関連ニュースはこちらから

シリア難民とトルコの受入れコミュニティに向けたスキル訓練で農村コミュニティでの自立促進を目指す

http://www.fao.org/japan/news/detail/en/c/1147892/

トルコでシリア難民の就労支援 日本政府の協力で実現

http://www.fao.org/japan/news/detail/en/c/1178109/

 

関連動画はこちらから(英語)

Resilience building via Increased Livelihoods Opportunities for Syrian refugees

https://www.youtube.com/watch?v=fdbCH5xcgIs