国際連合食糧農業機関(FAO)駐日連絡事務所

日本の世界農業遺産を駐日大使館関係者が訪問(ご報告)

ハイブリッドイベント , 2021/10/25 - 2021/11/27

世界農業遺産(以下、GIAHS)の申請プロセスや認定後の活用について理解を深めてもらい、GIAHSの普及啓発や人材育成を通して、貧困削減への貢献を目指すプロジェクト(「開発途上国における世界農業遺産人材育成事業」)が農林水産省の支援のもと実施され、南米及びアフリカの駐日大使館の関係者が参加し、世界農業遺産について学びました。

 

<宮崎県研修>

10月25日~27日に駐日コロンビア大使館及び駐日ペルー大使館の関係者が宮崎県の世界農業遺産「高千穂郷・椎葉山地域」を訪れました。

参加者は山間地農林業複合システムという平地が少ない地域での農業の在り方や500kmにも及ぶ山腹水路の見学などをしました。また、「神楽」などの伝統文化を鑑賞することにより、その地に根付いている農業や共同体で行われる農業の在り方について学びました。さらに、五ヶ瀬中等教育学校及び高千穂高等学校を訪れ、学生との交流を行いました。


棚田の訪問


椎葉民俗博物館の訪問


伝統文化「神楽」の鑑賞

 
五ヶ瀬中等教育学校での交流

 
高千穂高等学校での交流


地元農家との交流

 

コロンビア大使館の参加者は「世界農業遺産がとても包括的でかつ地域が一体となって取り組まれていることが勉強になった。コロンビアの関係者にも今回の経験を共有し、世界農業遺産の登録につなげたい」と話されてしました。

GIAHS認定地のあるペルーの参加者は「日本とペルーのGIAHS認定地の経験を共有しあって、お互いのGIAHS認定地の保全活動に活かしたい」と述べていました。

 

<石川県研修>

11月9日~11日に駐日セネガル大使館及び駐日ブルキナファソ大使館の関係者が石川県の世界農業遺産「能登の里山里海」を訪れました。

2011年に日本で初めて世界農業遺産に認定された能登の地域がその後10年間どのように歩んできたかという姿を目の当たりにしました。また、三井の里・茅葺庵、塩田村、白米千枚田(棚田)のライトアップやJA能登わかばの里などを訪れ、農業資源の活用や農産物の付加価値化について学ぶとともに、具体的なGIAHSの申請方法についても研修を受けました。さらに、七尾高等学校にも訪問し、現地の学生の取り組みを聞き、学生との交流を行いました。


JA能登わかばの見学


白米千枚田の見学


三井の里・茅葺庵の取り組みの紹介

 
七尾高等学校での交流

 

研修に参加された各大使館の参加者は「GIAHSは農業システムや地域コミュニティーの活性化につながることが分かった」、「アフリカにも能登と似ている要素がたくさんあり、新たなGIAHS地の認定に向けて本国に働きかけたい」と述べられました。

 

<世界農業遺産国際会議2021>

研修に参加されたセネガル、ブルキナファソ、ペルーの各大使館の関係者は11月25日~27日に能登で開催された世界農業遺産国際会議2021にも参加しました。

同会議では、FAOなどの国際機関をはじめ、国内外の認定地域の代表者や政策担当者、研究者、若者などが一堂に会し、認定効果が観光やものづくりといった産業にも波及している取組・成果をはじめ、各認定地域の経験を共有されました。また、気候変動や生物多様性の保全等の世界的課題に対する貢献と世界農業遺産のさらなる活用・保全の方策について議論を行い、「世界農業遺産に関する能登コミュニケ 2021」が採択されました。

駐日大使館参加者は会議関係者との交流を通し世界農業遺産への理解をさらに深め、世界農業遺産の推進者として、認定地が自国や地域にも新しくできるよう、また日本での世界農業遺産に関する取り組みを本国に広めていきたいと意気込んでいました。


クロージングセッションでのブルキナファソ駐日大使のスピーチ


セネガル駐日大使の学生との交流


石川県知事との懇談でのペルー駐日臨時大使の発言(左から一番目)


クロージングセッションでのFAO駐日連絡事務所日比絵里子所長(左から二番目)

2018年の研修の様子は こちらからどうぞ
2017年の研修の様子は こちらからどうぞ