10月16日 世界食料デー(World Food Day)
世界の食料問題を考える日として国連が制定した日、それが毎年10月16日の「世界食料デー」です。この日はFAOの創設記念日です。1979年の第20回FAO総会の決議に基づき、1981年から世界共通の日として制定されました。
世界の一人一人が協力し合い、最も重要な基本的人権である「すべての人に食料を」を現実のものとし、世界に広がる栄養不良、飢餓、極度の貧困を解決していくことを目的としています。
2024年世界食料デー
「食への権利を より良い生活と未来のために」Right to foods for a better life and a better future
【訂正】当ウェブページにて、飢餓人口の最新値が誤っていたため、9月23日に訂正しております。詳細は以下本文をご確認ください。
現在、世界の農家は、地球上のすべての人が食べていける分以上の食料を生産しています。それにも関わらず、飢餓の問題は未だに解決されていません。紛争や度重なる気象上のショック、経済の悪化により、世界では約7億3,300万人(※)が飢餓に直面しています。なかでも、貧困層や社会的に脆弱な人々が最も深刻な影響を受けており、その多くは農業世帯です。これは、各国間及び各国内における格差の拡大を物語っています。
食料、生命及び自由、労働、教育などの人権は、世界人権宣言と2つの法的拘束力のある国際規約によって認められています。食料は、空気と水に次いで3番目に大切な、人の基本的なニーズであり、すべての人に、適切な食料への権利があります。
なぜ「世界食料デー」は「食(FOODS)」を取り上げるのか?
食(FOODS)は、多様性、栄養、手頃な価格、入手のしやすさ、安全性を表します。すべての人のために、より多様で栄養価のある食品が、私たちの畑で生産され、漁業の網から獲られ、市場や食卓の上に並ぶべきなのです。
世界では28億人以上の人が経済的な理由で健康的な食事を摂ることができません。不健康な食生活は、栄養不足、微量栄養素欠乏症、肥満など、あらゆる形の栄養不良の主な原因であり、現在では社会・経済的階層を超えて、ほとんどの国で見られるようになっています。今日、あまりにも多くの人々が飢餓に苦しみ、また経済的な理由から健康的な食事を摂ることができない状況にあります。より脆弱な立場にある人々は、しばしば健康によくない主食や安価な食品に頼らざるを得えなません。一方で、新鮮で多様な食品が手に入らなかったり、健康的な食事を選ぶための情報が不足していることで苦しんでいる人もいれば、単に便利なものを選んでしまう人もいます。
紛争、異常気象、経済的ショックが組み合わさることで慢性化・長期化している危機により、飢餓と栄養不良の状況はますます悪化しています。農業・食料システムは全体として、災害や危機、特に気候変動の影響に脆弱であると同時に、汚染を引き起こし、土壌、水、大気を劣化させ、温室効果ガスの排出や生物多様性の損失をもたらします。農業・食料システムを変革することは、気候変動を緩和し、すべての人にとって平和で強靭かつ包摂的な生活を支え得る、大きな可能性をもちます。
FAOは何をしているのか?
FAOは、すべての人々のより良い生産、より良い栄養、より良い環境、そしてより良い生活に向けて農業・食料システムを変革するために、政策や法律に関する技術支援を各国に提供し、ガバナンスやモニタリングの仕組みを強化し、能力開発を進め、複数の関係者による政策対話を促しています。また、最も脆弱で危機に見舞われた人々とそのコミュニティに対して、人道支援と、強靭性を構築する支援を提供しています。2023年には、およそ5,700万人に、緊急性の高い農業支援を実施しました。
すべての人にとって食料安全保障と栄養が確保された世界を実現するには、巨額の投資、イノベーション、科学、技術、そして政府、民間セクター、学術・研究機関、市民社会を含むさまざまな主体による幅広い協力が必要です。
私たちには何ができるのか?
すべての人が適切な食料を得る人権を享受して初めて、その他の人権や持続可能な開発目標(SDGs)を達成することができます。世界人権宣言は、世界中のすべての人々にとって、より平等で公正な未来を実現するためのビジョンです。そして私たちには皆、果たすべき役割があります。消費者として、権利を行使して不平等と貧困に取り組むよう政府に働きかけたり、健康的な食品を選択することでその供給量を増やしたり、食料廃棄(フードロス)を減らし環境を保護することができるのです。
(※)誤記のお詫び及び訂正
世界食料デーのご案内に際し、飢餓人口の最新値が誤っておりました。お詫びとともに以下の通り訂正いたします。
(正)「約7億3,300万人」
(誤)「最大7億8,300万人」
FAOの「World Food Day」の英語のホームページ、及びFAO駐日連絡事務所の「世界食料デー」及び「世界食料デー2024イベント」のホームページを参照された場合は、誤った数値を使用していた可能性があるため、ご注意ください。