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FAO駐日連絡事務所 Liaison Office in Japan

アフリカ豚コレラに国際的な協調措置が急務-ユーラシア大陸に広がるアフリカ豚伝染病は世界的な脅威とみられる

タタルスタン共和国での豚コレラ予防訓練
25/05/2011

国連食糧農業機関(FAO)はコーカサス地方とロシア連邦において死をもたらす豚の伝染病の急増を警告し、流行国における早期対策の強化と、感染が北半球を横断してより広範囲に広がるのを防ぐための国際的な協調措置を取るよう求めた。 

FAOのファン・ルブロス主席獣医官は、「アフリカ豚コレラは急速に世界的な問題となりつつある。」と述べ、さらに、「現在、ヨーロッパとその周囲に差し迫った脅威を及ぼしている。各国は警戒態勢で準備と緊急事態計画を強化する必要がある。」と述べた。 

FAOが各国に推奨する対策は、状況を評価し、潜在的影響を評価するためのリスク分析を含む。そのような分析は本格的な緊急事態計画の下準備となるべきであり、また、疾病対策戦略の論理的根拠を提供するべきである。 

重要なことに、現在この伝染病に対するワクチンはなく、豚をしばしば死に至らすことがあるが、人間には害はない。 

予防策 

予防戦略にはアフリカ豚コレラが侵入し、広まるリスクを最小限に抑えることを目的とした検疫、農場での安全対策、その他措置を含む。早期警戒緊急事態計画には、疫学的な情報収集や研修、啓蒙キャンペーンを含む。 

アフリカ豚コレラは2006年の終わりに、黒海のポチ港を通じて、豚が餌を食べに来るゴミ集積場に船から出されたゴミが運ばれたことによって、南アフリカからグルジアに侵入した。現在、アフリカ豚コレラは一年に約350キロメートルのスピードで北へと広がっている。 

アフリカ豚コレラの発生は極めて季節的であり、最も発生件数が増加するのは夏と秋である。しかし、アフリカ豚コレラは波のように進みながら北へと広がっているものの、別の現象として長距離「ジャンプ」も起こっている。 

フィンランド 

例えば、2011年の春、アフリカ豚コレラはフィンランドとの国境に近く、ロシア南部から3,000キロメートル以上も離れたムルマンスク港で突如発生した。2009年には2,000キロメートルも離れたサンクト・ペテルブルクへ伝播したが、2010年末と2011年3月に再発した後抑え込まれたようである。 

アフリカ豚コレラの長距離ジャンプは、旅行者によって運ばれた豚肉食品の中で生存するウィルスが食物媒介して起こる。目的地では、おそらく生ゴミが豚に与えられ、これが新たな発生の原因となる。

このようなジャンプの頻度は、もともと感染していた地域が広がるにつれて増していっている。現在拡大しているアフリカ豚コレラウィルス株はとても攻撃的なウィルス株である。 

緩衝地帯 

アフリカ豚コレラは現在、グルジア、アルメニア、ロシア連邦南部で広がっていると見られる。そして、長距離にわたる発生数も今年増加している。 

ロシアは感染地域に隣接した緩衝地帯を設ける計画で、これは一部の地域での豚生産の停止やイノシシに対する措置を伴うであろう。

しかし、十分な補償もなしに自分たちの豚が処分されるかもしれないという恐怖から、家畜農家はしばしばアフリカ豚コレラの発生を報告しないことがあるため、計画の進展は難しくなることが予想される。