国際連合食糧農業機関(FAO)駐日連絡事務所

食料危機下での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響に対処する

08/04/2020

2019年末から2020年初期にかけて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19(新たに発見されたコロナウイルスにより引き起こされた感染性疾患)の大流行は、世界中に急速な広がりをみせ、生命と生計に壊滅的な影響をもたらしています。 ウイルスの蔓延は大陸ごと、また国ごとに異なる形で進化し続けるために、2020年3月下旬時点、このウイルスが食料安全保障および農業関連フードシステムに与える影響についてはまだ完全には判明しておらず、これが今後数か月のうちに明らかになることはおそらくないでしょう。

明白なのは、新型コロナウイルス感染症が、生産者から加工業者、流通業者、輸送業者、消費者に至るまで、フードサプライチェーンに関わるさまざまな人々に重大な悪影響を与えること、またすでに与えているということです。国連食糧農業機関(FAO)は、脆弱性が高く、すでに人びとが食料危機に直面している状況において、このウイルスと感染症封じ込めの取り組みが食料安全保障と生計にもたらしうる、潜在的な影響を懸念しています。

過去の危機からの経験、特に2014年の西アフリカでのエボラ出血熱における経験により、移動制限と疾病封じ込めの取り組みが食料の生産とアクセスにもたらした多大なる影響、そして、疾病の蔓延を防ぐための保健セクターの取り組みと並んで、最も脆弱な人々に対する食料安全保障のための人道的な介入の維持と拡大の重要性が示唆されました。

国連の新型コロナウイルス感染症に対するグローバルな人道対応計画の枠組みのもとで、最も脆弱な人々への継続的な支援と新型コロナウイルスの二次的影響に対処するための先行措置の実施を確保するために、FAOは実施中の人道的・レジリエンス計画を見直し、このウイルスの潜在的な影響を分析しました。

これを受けFAOは、新型コロナウイルス感染症の影響により出現する新しいニーズに対応しながら、すでにニーズの高い地域での決定的に重要な支援の提供を維持するために、1.1億米ドルを要請しています。この計画では、FAOの取り組みは4つの主要な活動に焦点を当てます。

  • すでに人道危機を経験している状況における分析を支援し、評価と計画への情報提供を行うためのグローバルなデータ設備を構築する 。実施においては、国連世界食糧計画(WFP)、世界の食料安全保障クラスター(Food Security Cluster)、食料危機に対するグローバルネットワーク・パートナーシップ・プログラム(Global Network Against Food Crises Partnership Programm)などの主要パートナーと緊密に協力する。(1 000万米ドル)
  • 最も急性な食料不安を抱える人々を対象に、収入を安定させ、食料へのアクセスを確保するとともに、現在実施中の生計と食料生産への支援を維持する。(6 000万米ドル)
  • 地元の食料市場、バリューチェーンとシステムの機能維持への支援を通じて、農村‐都市近郊‐都市間を含む、最も脆弱な人々にとって欠かせないフードサプライチェーンの継続性を確保する。実施においては、脆弱な小規模農家や食料関連労働者、また、脆弱な都市部への食料供給に不可欠な地域に焦点を当てる。(3 000万米ドル)
  • 国家当局、世界保健機関(WHO)と協力し、食品安全と衛生規則(労働者の権利、役割、責任を含む)についての意識を高めることにより、フードサプライチェーンに関わる人々が新型コロナウイルス感染症への感染リスクに晒されないことを保証する。(1 000万米ドル)

 

人道対応計画(英語)のダウンロードは以下から
Coronavirus disease 2019 (COVID-19) - Addressing the impacts of COVID-19 in food crises | April–December 2020 

原文(英語)は以下から
Coronavirus disease 2019 (COVID-19) - Addressing the impacts of COVID-19 in food crises

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関連リンク
FAOと新型コロナウイルス感染症(COVID-19) (日本語)

FAO and COVID-19(英語)